降り頻る月たちの天空に-------第2章 <3>-------
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 月も隠れ、深淵の闇が覆う夜空を眺めながら、男は深い溜息をついた。
「……自転が止まる」
 男の脇に座り、編み物をしていた女は驚いたように顔を上げた。
「カイルシア様? 何かおっしゃいました?」
「ああ。地球の自転は止まると言った」
 あまりに淡々とした、しかし恐ろしげなその応えに、女は持っていた編み棒を床に落とし、立ち上がった。
 自分の夫であるカイルシアは、世界で最も強大な力を持つ魔導士である。その彼が言うことに間違いはない。
「大自然もまた、その生命活動をすべて停止するだろう。このままいけば二十年……いや、十五年後くらいか」
「…………」
 女は恐ろしいというように、カイルシアを見上げた。
「心配するな。自転や自然の生命活動が止まっても、何も変わりはしない。いや、私が変わらせない」
 自信に溢れた笑みを、カイルシアはその独特な白色の瞳に刻む。
 その笑みに、女は安心したように微笑んだ。心の底からカイルシアという人物を信頼しているようだった。
 そんな彼女から視線を外し、カイルシアは再び天空に瞳を向けた。
「……そのためには、何でもする」
 誰にも聞こえないほど小さな呟きを、カイルシアは口の中で漏らす。それは、ひとつの決意だった。
 この惑星すべてを救うことは出来ない。彼は、それを知っていた。
「エリス、本部に出掛けてくる」
 そう言うとカイルシアは妻の頬に軽い口付けをし、その場から姿を消した。
 夫の体が空気に溶け込むのを眺めながら、エリスはふうっと溜息をついた。結婚したばかりだというのに、あまり一緒にいることがない。
 夫であるカイルシアの身分を考えれば、それは仕方のないことであったが、それでもやはり寂しいと思ってしまう。
「あの人が、もっと普通の人だったら良かったのに」
 彼女は拗ねた子供のように呟くと、寂しさを紛らわすように再び編み物を始めた。


 カイルシアは統帥本部に着くと、側近たちを緊急招集し、自らが予知した自転停止のことを告げた。
 けれども妻であるエリスに言ったことと、少し内容が違っていた。彼は側近たちに自転停止は『一年後』だと伝えたのだ。
 側近たちは真っ青になった。
 自分達が超魔導を完成させたことによって、もっともっと魔術文明は発達していくはずだった。それが、自然界の乱れを引き起こすことになるとは考えもしなかった。
「カ……カイルシア様、それでは我々はどうなるのですか?」
 側近たちはすがるように、人類の代表者であり、強大な魔導士でもあるカイルシアを見やる。カイルシアは淡々したと笑顔を見せた。
「案ずることはない。自転停止を防ぐことは出来ないが、この惑星に自転と同じ影響を及ぼすことなら出来る。生命活動の停止もそれによって防ぐことが出来るだろう」
 ゆっくりと瞼を閉じ、そして何か心を決めたように、その白色の目を開く。
「……西側のほぼ中心に塔を建てる。その塔に私の全魔力を集中させ、蒼月の魔力と連動させることで惑星は死なずに済むだろう」
 一気に、カイルシアはそう言った。
 側近たちは不審げにお互いの顔を見回した。カイルシアが何故、統帥本部のあるこの地ではなく、反対の西側にその塔を建てるというのか分からなかった。
 惑星を守る魔力が発揮される塔ならば自分達のいる東側に建て、より高い安全を得たいというのが彼らの考えだった。
 カイルシアは楽しげな笑い声を上げた。
「西側の者は、我々がとかく本部のある東にばかり政策を施す、とうるさいからな」
 激しい後ろめたさを感じながらも、カイルシアは淡々とした表情を崩さず、今回は向こうに譲れと諭すように言う。
 側近たちは、どこに建てても効果に変わりはないというカイルシアの言葉に、渋々ながらも納得した。
「では、早急に塔の建設を始めてくれ」
 そうとだけ言うと、カイルシアは一人の側近を除き、皆を退室させる。残された側近はカイルシアが最も信頼する男。弟のルーカスだった。
「……ルーカス、おまえに話がある」
 カイルシアは先程とは打って変わり、どこか苦しげな表情でそう切り出した。
 ルーカスは不審そうに首を傾げた。
「予知に対する対策に、何か不都合でもあるのか?」
 さすがに勘の鋭い弟に、カイルシアは僅かに苦笑した。
「不都合なんてものではない。塔が建つ西側の大地は……すべてが死に絶えるのだから。私の魔力と惑星半分の生命力をかけて、こちらの地を守ることになるのだ。地球すべてを救うことは、不可能なんだ」
「…………」
 ルーカスは、ごくりと唾を飲み込んだ。この兄が不可能だと言えば、それが可能になることはない。それは分かり過ぎるほどに分かっていた。
「それに……ルーカス。自転停止が起こるのは本当はもっと先の……十五年後くらいの話だ。だが私は一年後に人為的な力で自転を止める」
 はっきりと、カイルシアはそう断言する。ルーカスは思わず兄の顔をマジマジと見つめた。何を言っているのか、理解出来なかった。
「……なんでそんなことを?」
「もうすぐ私を越える魔力を持った存在が誕生する。十五年後では、その者が成長してしまう。……その子供はアルファーダに生まれるんだ。そうなれば、塔が建つのは東側になるかもしれない」
 カイルシアの声は少しひび割れて、弟の耳に届く。
 ルーカスは息を呑んだ。兄がこんな事を言い出すとは思わなかった。自分の感情で、公明正大な態度を崩すということは今までは決してしなかった兄なのである。
 しかし大切な者を守りたいという、その心情は理解出来た。この地に家族がいる自分には、兄の言葉に反対することなどとても出来るものではなかった。
 それがエゴだと罵られたとしても ―― 。
「……そのことは、俺以外には言わない方がいい」
 ルーカスは、ようやく喉からしぼり出したような、かすれた声を出した。
「アルファーダ側が滅ぶのは、自転が止まったために起こる哀しい事故だ。カイルシア=ラスカードが、滅ぶのを承知でそこに塔を建てるわけがないからな」
 兄の白色の瞳をじっと見据え、ルーカスはそう告げる。
 カイルシアは僅かに瞳を伏せ、組んだ両手に顎を乗せた。
「……ルーカス、私は全魔力を発動することで、恐らく命を落とす。このことは、おまえ一人で背負うことになるかもしれない」
「俺は真実を知っている。だが、それを公表するもしないも俺の勝手だ。カイルシアの知ったことじゃない」
 兄の心理的な負担を軽くするように、ルーカスはあざやかな笑みを浮かべた。
 それくらい、なんでもないと思った。大切な者たちが多く生きる、このミュールを救うことができるのなら ―― 。


 西側世界の大陸にある小さな町で、一つの命が誕生した。
 美しい湖に面したその町は、新しい命の誕生に喜び賑わっていた。
 魔術者アクシアがこの町を訪れた時、ある妊婦を見て、生まれてくる子が『神の御子』だと予言したのである。
 アクシアは、この西側世界が生んだ初めての大魔導士だった。こちら側ではカイルシアよりも、アクシアの方が尊敬を受けていると言ってもいい。
 そんな彼女の予言を疑う者は、ここには誰もいなかった。
「神の御子様がお生まれになったぞー!」
 若い男が叫びながら町を走る。
 その声に、洗濯をしていた女たちはそれを放り出し、遊んでいた子供たちも遊ぶのをやめ、みんながその『御子』が生まれた家に駆け付けた。
 この『御子』は、西側世界の希望だった。
 人類が科学文明を捨て、魔術文明を選択して以来、世界は日付変更線を境に、西のアルファーダ・東のミュールと大きく区分された。
 ―― ミュールが現在のレミュールであり、『レ』とは『新しい』という意味を持つ言葉だった。
 大陸の総面積ではアルファーダの方が大きかったが、優秀な魔導士がミュール側に生まれることが多く、主導権は常に東側にあった。
 そこに、とうとう『神の御子』といわれる者が、この西側世界に生まれたのである。皆の喜びは大きかった。
「かーわいいねえ」
 赤子を遠巻きに眺めながら、さっきまで鬼ごっこをして遊んでいた子供たちは、感嘆したように吐息を漏らす。
 赤子は生まれて初めて見る『世界』に、無垢な翡翠の瞳を大きく見開いて、嬉しそうに笑っていた。
 不思議なことに、赤子は生まれた時からその瞳の色と同じ翡翠の珠玉が埋め込まれたサークレットを身に付けていた。
 それを見て、やっぱり神の御子様だと周りは嬉しげに囁きあった。
 この赤子が成長して立派な導士になることで、今はないがしろにされがちの西側も幸せになることが出来るだろう。人々はそれを楽しみにした。
 その時、激しく大地が揺れた。
 大地が悲鳴をあげ、ズ…ンと腹の底に響くような低い音が走る。
 何が起きたのか分からず慌てふためく人々の中で、一人の男が水晶玉を取り出しながら、恐ろしげな叫び声を上げた。
「カイルシアが建てた塔だ! あれが強い光を放ち、西側世界を食らっている!」
 男の水晶玉が映し出すその光景に、人々は恐れおののいた。
 何かが爆発するように塔から激しい光がたちのぼり、それが、まるで生き物のように地上全体を駆け抜ける。その光が通ったあとは、何も残ってはいなかった。
「御子様が、殺される!」
 誰かが狂ったように叫び、近くいた少年が『神の御子』をその胸に抱き締める。
 赤子の母親は少年ごと自分の子供を抱きかかえ、狂暴な『光』から我が子を守るようにうずくまった。
 ―― それが、最後だった。
 光が駆け抜けたあと、豊かだった大地は枯れ、川や泉は干上がり、そして生物はすべて死に絶えていた。
 西側世界は一瞬にして、命あるものが存在しない荒野と化したのである。
 眩い太陽と、気が遠くなるほど青い空だけが、ただただ変わらずそこに在った。
「 ―― 」
 ふと、赤子の泣き声がした。
 冷たくなっていく母親の腕の中で、赤子は火が付いたような泣き声を上げる。
 その二つの瞳からはとめどなく涙が溢れ、もう一つの瞳……額環の翡翠石が、死に行く者たちの姿をしっかりと焼き付けた。
 ―― 許さない……。
 その額に揺れる美しい翡翠の珠玉は、生まれたばかりの赤子が持つはずのない『憎悪』という感情を持った。
 ―― 許さない!!
 まるで失われた生命すべてを悼むように響く泣き声の中、赤子の額に揺れる翡翠の珠玉だけが、憎悪に満ちた輝きを放っていた ―― 。


 はっと、イディアは目を覚ました。今は涼風の吹く過ごしやすい時間であるはずなのに、薄絹の寝着が汗でぐっしょり濡れていた。
 イディアは深い呼吸をつくと、寝台から体を起こし、窓の外に視線を向けた。
 いつもどおりの美しい自然が彼の視界に広がり、優しく風がそよいでいる。
「……偽りの世界。みな……私が造った……」
 両手で頭を抱え込み、苦しげに呟く。左の瞳から、一筋だけ涙がこぼれ落ちた。
 いつもそばに在る優しい風が、彼を慰めるようにふうわりとまとわりついてくる。けれど、イディアはうっとおしげにそれを振り払った。
「忘れていたわけじゃない。あの日のことを。ただ、愛しかっただけだ。このアルファーダに息吹く生命が。ここに……憎悪の風を吹かせたくなかっただけだ……」
 右手で額の珠玉を掴み、イディアはぽつりと呟く。
「それなのに、何故来た!? 今度は私が造ったこの生命を奪おうというのか! また、東側のためにっ!」
 今までに見せたこともないような激しい感情を、イディアは言葉と共に吐き出した。
 ぱり…んと、澄んだ高い音をたてながら、額環の翡翠石がイディアの手の中で粉々に砕け散った。
 そのかけらを投げ捨て、イディアは無言で天空を見やる。
 天空にはレミュールの蒼月が、白く浮かんで見えた。
 本来ならば、夜の闇が優しく包み込んでいるはずの時間。しかし、いつまでも夜になることのない、青い空 ―― 。
「すべてはあの塔のせいだ。あれがあるから、アルファーダは再生出来ない……」
 イディアは固く唇を噛んだ。
 さっき彼の手の中で砕けたのは額輪の珠玉ではなく、穏やかな瞳の方であったのだろうか?
 イディアの双眸は、壊れた翡翠石と同じ憎悪の輝きを宿し、遥か彼方の流月の塔を睨みすえるように、冷たく……そして激しく見開かれていた。


「なんだ?」
 ショーレンと久し振りに語り明かしていたアスカは、激しい鐘の音に眉をひそめた。
 まるで警鐘のように、けたたましい鐘の音が町中に響き渡っていた。
「イディアの聖殿にある大鐘楼の鐘だと思うが、こんなふうに鳴るのは初めてだな」
 ショーレンも訝しげに窓の外を見やる。
 普段は時を告げる鐘として柔らかな響きをかもしだす鐘である。しかし今は眠りの夜とされる時間帯で、時の鐘は鳴るはずはなかった。
「……空気がざらついてるな」
 アスカは何か嫌な気を感じたように、そう呟く。その感覚を拭うように髪を無造作にかき上げながら、彼は窓を開けた。
 ふと視線を上げると、町の中央、イディアの聖殿がある場所から黒煙と紅炎がゆるやかに立ち上ぼっているのが見えた。
「ショーレン、燃えてるぞ!」
 アスカが叫び、ショーレンはみんなに知らせようと席を立つ。そのショーレンにぶつかるように、ティアレイルが奥の部屋から飛び出して来た。
「憎悪が解放された……」
 茫然と、ティアレイルは呟いた。
 黒煙を上げて燃える聖殿を苦しげに見つめ、強く頭を振る。
 今、ティアレイルの脳裏に映る予知は、変えようもないほど鮮明にレミュールの崩壊を見せていた。
 しかしそれ以上に、イディアの見た『過去』がティアレイルの胸を締め付ける。
 どうしてだかは自分でも分からなかった。けれど、ティアレイルもイディアと同じ夢を見た。古月之伝承には書かれていなかった自転停止の真実と、それに伴うイディアの過去を ―― 。
 自転停止から、すでに数百年の月日が流れている。しかしティアレイルは、あの赤子がイディアなのだということを疑いもしなかった。
「……あれは……でも……」
 ティアレイルは、何かに迷うように蒼銀の髪を揺らした。
 彼は以前にも同じような光景を、違う視点で見たことがあった。激しい閃光が走り、それによってすべての生命が一瞬にして消える。そして荒野と化した大地。
 それを見たのはティアレイルがまだ、十二・三歳の頃だ。
 魔術という力の存在をアスカに教えてもらったばかりのあの頃。魔術研究所の湖上の大鐘楼のベンチで魔術関係の本を読みながら、ティアレイルは子供の好奇心からそこに書いてあった風鏡の術を使ってみたのだ。
 そのとき風鏡に映ったのが、『閃光によって死にゆく大地』の姿だった。
 その光景を、ティアレイルが忘れるはずもない。彼が科学を徹底的に嫌悪しはじめた原因は、そこにあったのだから。
 そのときティアレイルは見たのである。すべての生命を奪う光を発した、機械仕掛けの『塔』の姿を ―― 。
「あのとき私が科学だと思ったものは、実際は魔術だったというのか?」
 ティアレイルは唇を噛んだ。信じてきたものが崩れていくような感覚に、激しいめまいと吐き気がした。
 あの光を発したのがカイルシアであるならば、それは魔術によって発せられたものということになる。自分は……本来嫌悪するべきものの『象徴』になってしまったのだろうか……。
「そんなはずはない。あの『塔』は確かにコンピューターで動いていた」
 ティアレイルは崩れそうになる足許を必死に支えるように壁にもたれ、ここには無い何かを睨むように翡翠の瞳を宙に向ける。
「どうした、ティア?」
 ティアレイルの肩に手を添えて、アスカはその瞳を覗き込んだ。
 むかし見たことがある、心を壊してしまった人間と同じような眼光を宿した幼なじみの様子が、アスカには恐ろしかった。
 ティアレイルはゆっくりと瞼を閉じ、そしてふたたび瞳を開くと同時に穏やかな表情を作り上げる。
「なんでもないよ。アスカ」
 今は、自分の思想のことなどで思い沈んでいる時ではなかった。
 イディアの憎悪が解放されたこと。そしてレミュールを救うこと。自分は、ただそれだけを考えていれば良い ―― 。
「……やはり私たちの存在が、イディアの憎悪を呼んでしまったようだ」
 ティアレイルは瞬きひとつする間に精神的再建を果たし、窓の外に見える光景に悔しげにそう言った。
「いまこの瞬間、レミュールに月が落ちることが確定的になった」
「予知の確定ってやつか。ちっ。そんなことより、今はあの炎をどうにかしようぜ」
 ショーレンは苛立たしげに吐き捨てると、家の外に飛び出そうとする。
 そんなショーレンの横を、リューヤが風のように駆け抜けた。外に出て、燃え盛る空に息を呑む。
「 ―― 聖殿が!」
 信じられないというように目を見張り、リューヤは叫んだ。
 炎が『イディア様』を殺すとは思わない。けれども、何かとても嫌な予感がした。
 ショーレンと荒野で別れてからすぐ、リューヤはイディアの様子を見に行ったのだ。その時はいつもと変わらない、穏やかで優しいイディアだった。
 しかし、その別れ際にイディアはリューヤに静かに告げたのである。
 ―― これからは、何があっても町から出るな……と。
 その時のイディアの表情が、リューヤは忘れられなかった。とても真剣な表情で。そして、ひどく哀しげで……。
「イディア様を助けないと!」
 リューヤは必死になってパルラに飛び乗った。
「なんで、町の人たちは起きてこないのよ!?」
 しんと静まり返った町並みを見て、ルフィアは信じられないというように叫んだ。
 こんなに激しく鐘が鳴っているのに……。
 彼らの大切なイディアの聖殿が燃えているというのに ―― 。
 リューヤは固く唇を噛んだ。
「いつも、おれだけなんだ。眠りの夜にも起きていられるのは。他の人は……みんなは絶対に起きてこない。だから、おれがイディア様を助けなきゃ!」
 そう叫ぶと、リューヤはパルラの尻を強く叩き、町の中央向けて走って行く。
「俺たちも行こう!」
 ショーレンが皆を促した。
 しかしリューヤのようにパルラがいるわけでもなく、また、いつものように車があるわけでもない。普通に走っていくには距離があり過ぎた。
 彼らが湖に辿り着いた時には、既に聖殿も大鐘楼も焼け落ち、そして、炎は嘘のように鎮まっていた。
「 ―― イディア様」
 焼け落ちた聖殿の残骸を眺めるように茫然と立ち竦んだリューヤの呟きだけが、哀しげに風の中に響いていた。




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